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皆さんこんにちは!
大城工業株式会社、更新担当の富山です。
目次
今回ご紹介するのは、少しマニアックに聞こえるかもしれませんが、実は配管設備工事や金属加工の現場で非常に役立っている加工技術――**「バーリング加工」**についてです。
バーリング加工とは、薄い金属板にあけた下穴の縁を、専用工具で押し広げて筒状の立ち上がり(フランジ)を作る加工方法です。このフランジにタップ加工(ネジ山を切る)をすることで、薄板でもネジがしっかり効くようになります。
通常、1.0mm以下の薄板に直接タップ加工をしても、ネジ山が浅すぎてネジが抜けてしまうリスクがあります。そこで、バーリング加工を施すことでネジのかかり代(有効ネジ山の長さ)を確保でき、しっかりと固定が可能になります。
バーリング加工は、現場のちょっとした工夫から大型設備まで、幅広く使われています。
天井裏の吊りバンド金具の製作
→ 薄いステンレス板にバーリング+タップでボルト固定。強度と軽量化を両立!
ボックス型フレームの補助固定
→ 仮設配管用の支持金具や器具取付プレートなど、現場加工でもすぐ使える!
空調機器まわりのブラケットプレート製作
→ 市販のナット類ではスペースが取れないときに、バーリング加工が活躍!
特に屋外設備や高所作業など、ボルト固定の強度と軽量化が両立できるため、施工効率と安全性の両面でメリットがあります。
軽量化:ナット溶接や補強部品が不要になるため、構造をシンプルにできる。
高強度化:ネジのかかり代が増えることで、耐振動性・耐久性が向上。
加工性の良さ:薄板へのタップ加工がスムーズで、現場対応にも向いている。
工程短縮・コスト削減:ナット溶接や部品取り付けの工数を削減。
ただし、注意すべき点もあります。
材質によっては割れやすい(特に硬質ステンレスやアルミ材は事前検証が必要)
加工精度が低いとタップ不良やバリ発生の原因になる
加工後の変形防止には板押え治具や裏当てが必須
つまり、誰が加工するか、どの工具・段取りを使うかで、結果が大きく左右される加工なのです。
見た目はただの小さな筒でも、その裏には精密な加工と強度へのこだわりが詰まっています。
私たちの現場でも、「この場面、バーリングがあって本当に助かった」という経験は何度もあります。
バーリング加工は、“縁の下の名加工”。軽量で強度が必要な配管設備工事には、欠かせない存在なのです!
次回は、配管の“魅せる化”に欠かせない!見た目の美しさと機能性を両立する「グルービング加工」を徹底解説します。
次回もお楽しみに!
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